社会的処方
#日常の療養支援の場面
#医師
#看護師
#地域包括支援センター職員
#その他
#切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
#その他
#多職種連携
| 都道府県 | 埼玉県 戸田市 |
|---|---|
| 人口規模 | 142,163 人 |
| 高齢者人口(65歳以上人口) | 23,837 人 |
| 高齢化率 | 16.8 % |
取組の背景
戸田市では、高齢化率は約17%と現時点では比較的低いものの、今後の急速な高齢化や一人暮らしの高齢者の増加が見込まれており、医療・介護の連携促進が重要な課題となっています。 多職種協働を推進する取組として、自己責任で片づけられない経済的困窮や社会的孤立・孤独など健康の社会的決定要因(SDH)を踏まえ、患者に対して薬という処方だけでなく、孤立への対策や健康増進、生活の質(QOL)・ウェルビーイングの向上ために通いの場等の社会資源につなぐ「社会的処方」の取組を令和5年度から協力医療機関(蕨戸田市医師会所属の22の医療機関)と開始しました。
取組の概要
・協力医療機関の医師等(看護師やMSW含む)が、薬の処方と同様に、患者に対し通いの場等の地域資源の「処方(紹介)」を行い、リンクワーカーに繋ぐことで高齢者の孤立やフレイル予防や生活の質の改善を図る取組。 ・協力医療機関に市民向けの社会的処方の取組の説明リーフレット、ポスター、ミニのぼり旗を提供し、取組の周知啓発を図っている。 【以下具体的事例】 ・市民医療センターを受診した89歳男性に対し、社会的処方の必要性を判断するため、外来診察前後の時間に看護師から声掛けし、他患者から離れた場所でスクリーニングを実施。 ・スクリーニングの結果から、主の健康への関心に着目し、TODA元気体操教室(いきいき百歳体操教室)への参加を提案し、地域包括支援センターと情報共有、連携を行う。 ・地域包括支援センターが主の不安(教室の会費・申込方法・見学等)に丁寧に対応し、見学を経て参加へと繋げた。 ・参加後は主の心身に向上の変化が見られ、歩行距離が延び、前向きな発言が増えるなど健康への意欲が高まった。
取組で苦労した点
上記、具体的事例における苦労した点 ①何をしてもつまらないと感じている主に対して、健康への関心や潜在的なニーズを引き出すための丁寧な関わりが必要であった。 ②主が体を動かす必要性は理解していても、身体的な不安(膝の痛み)や外出機会の少なさにより、TODA元気体操教室への参加の一歩を踏み出すための心理的ハードルが高かった。 ③主はTODA元気体操教室への関心は示したものの、実際の参加に結びつけるまでには、「会費」「申込方法」「見学の可否」等、具体的な不安や疑問に一つひとつ丁寧に対応する必要があった。 ④市民医療センターと地域包括支援センターとで連携を行うためには、市民医療センター職員と地域包括支援センター職員との間での適切で細やかな情報共有が必要だった。
取組の効果
上記、具体的事例における取組の効果 ①日常の療養支援の場面である病院受診時の主の会話から、看護師が待ち時間に主の興味関心を把握し、地域包括支援センターと連携することで、住民主体の通いの場であるTODA元気体操教室の参加へと繋がった。 ②主がTODA元気体操教室に通い始めてから、「人に迷惑をかけたくない」、「動けなくなってしまうのは困る」と語る等、心身ともに前向きな変化が見られ、以前は週1回の病院と3週間に1回の図書館のみの外出だったが、週1回開催されるTODA元気体操教室に参加することで外出頻度の向上にも繋がった。 ③市民医療センターや地域包括支援センターにとって、日常の療養支援の中で通いの場に繋げ、継続的な社会参加と健康づくりに繋がるという、他の対象者にも応用可能な支援モデルが事例として生まれ、医療・介護の連携体制の強化に繋がった。
今後の方針
①医療機関による社会的処方は、特に今後も増加が見込まれる一人暮らし高齢者の健康課題の改善に有効であると考えられるため、取組の定着に向け、市民、医療機関及びリンクワーカーに対する周知啓発を継続していく。 ②毎月集計している地域包括支援センターへ寄せられる医療機関からの相談は、介護保険の申請やケアマネジャーへの繋ぎが大部分を占めていることから、社会資源への繋ぎについてモニタリングを継続し、取組の効果を把握する。
電話番号:048-291-9346(直通)
所属部署:戸田市健康福祉部健康長寿課地域包括ケア担当