10年前在宅死10%から現在50%以上に!地域を変えた取組
#過疎地域、中山間地域での取組
#医師
#切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
#在宅医療・介護関係者に関する相談支援
| 都道府県 | 滋賀県 東近江市 |
|---|---|
| 人口規模 | 112,064 人 |
| 高齢者人口(65歳以上人口) | 30,671 人 |
| 高齢化率 | 27.4 % |
取組の背景
永源寺地区は森林面積が9割を占める山間農村で、人口減少が深刻。高齢化率は39%。3分の1の集落は山間部に位置し、その高齢化率は58%を超えている。 独居高齢者・未婚高齢者の増加で、家族依存型では高齢者の介護ニーズに対応できない状況。遠隔地家族の判断で、本人の意思に反して住み慣れた地域を離れた施設への入所が決まるケースも多い。 家族の役割が縮小する中で、地域全体で高齢者を支える「地域まるごとケア」の仕組みづくりが急務となっている。
取組の概要
東近江市永源寺診療所で指定管理者・医師が、地域全体で高齢者を支える「地域まるごとケア」の仕組み作りに取り組んでいる。 永源寺診療所では、診察時に全患者に「食べられなくなったらどうするか」「最期はどこで迎えたいか」を必ず尋ね、その意思をカルテに記録している。 また、在宅患者については、毎月一回、家族との面談(遠方の場合はオンライン)を義務化することで、家族が安心して地域に任せることができるよう努めている。 行政の財政的支援は限定的であるが、職員を会議や地域活動に派遣し、地域の取り組みを支えている。地域が主体的に活動し、行政が地域とフラットな関係で協働する地域づくりを進めている。
取組で苦労した点
「病気を診る専門医」と「生活を見る かかりつけ医」という「ふたり主治医制」を推進し、在宅看取りや生活支援を実現しているが、「ふたり主治医制」の理念は支持されても、実際には医師同士の連携が進みにくい。 また、医師会の中でも温度差はあり、医師の意識変革には世代交代を含め長い時間が必要である。 何より、地域毎のコミュニティ力に差があるため、「地域まるごとケア」の横展開を難しくしている。 地域のコミュニティ力を高めるには、地域にある様々なコミュニティにアプローチするのが効果的ではないか、例えば、職場や同じ趣味といったコミュニティもあるが、疾患毎や患者の会などコミュニティを新しく作っていくことも「地域まるごとケア」へ の第一歩になるのではないかと考えている。
取組の効果
取組の成果として、永源寺地域では自宅や施設での看取りが増加し、現在は約5割が在宅死で、住民の希望が反映されるようになっている。 また、遠隔地家族との定期面談により安心感が高まり、不要な施設入所を避けられるなど、患者の生活の質の改善にもつながっている。
今後の方針
今後は複数のジェネラリスト医師による体制を整備し、持続可能な診療所運営を実現する方針である。 患者本人の 意思決定を支援し、患者やその家族との対話を重視する。 「ふたり主治医制」(「病気を診る専門医」と「生活を見る かかりつけ医」)の連携を強化しつつ、「チーム永源寺」として活動を続けていきながら、「地域まるごとケア」の深化を目 指す。