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訪問看護ステーション空白地帯に、自治体と協定を結びサテライトを開設

2026.03.27
取組場面

#過疎地域、中山間地域での取組

取組のキーパーソン

#看護師

取組の実施内容

#切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進

都道府県による支援状況
都道府県山形県 最上町
人口規模7,607
高齢者人口(65歳以上人口)3,278
高齢化率43.1 %

取組の背景

真室川町は山形県最上地域の北端に位置する中山間地域の町であり、令和7年9月末の人口は6,329人、世帯数は2,499世帯で、1世帯当たりの構成人数は約2.5人である。 急速な過疎化により、2045年には人口が約3,000人まで減少すると見込まれている。令和2(2020)年時点で高齢化率は40%を超えており、直近ではさらに上昇。高齢夫婦世帯・単身高齢者世帯が増加しており、地域包括ケアシステムの構築が急務となっている。

取組の概要

最上地域を管轄している訪問看護ステーションにおいては、再三、開設の話はあるものの、地理的に中山間部が多く、中には片道30分~1時間、場合によっては半日を要する場所も含まれるため採算が合わないこと、また人材の確保が厳しく、必要性を感じつつも、話が前に進まない状態が続いていた。 そこで、県が山形県看護協会へ協力を依頼し、山形県看護協会と空白地帯の3町村(真室川町、金山町、鮭川村)で協議を重ね、「①町立真室川病院内に場所を確保し、訪問看護ステーション新庄のサテライトを開設すること」「②町立真室川病院からサテライトに看護師を1名派遣すること」「③3町村と協定を結び、資金援助を行うこと」などにより、山形県看護協会が運営する訪問看護ステーション新庄のサテライトが、平成29(2017)年に真室川町に設置された。

取組で苦労した点

通所系サービスでは、令和4(2022)年度に町内の通所介護事業所が突然閉鎖し、結果として残存する社会福祉法人運営の1施設に利用者が集中する状態となった。 また、住民の病院依存傾向が強く、訪問看護の認知度が未だに低い。訪問時にプライバシーを気にする住民が多く、訪問看護の車両や服装を工夫するよう求めてくる利用者もいる。

取組の効果

開設当初は、町立真室川病院から看護師1名を派遣していたが、令和3(2021)年度からは2名体制に拡充。 町立病院にサテライトを設置したことで、主治医や看護師とタイムリーな情報共有が可能になった。 それにより、病院における入退院支援も進んだ。さらにサテライトに出向後、病院に戻った看護師が、訪問看護について情報発信をしてくれることで、病院スタッフの在宅への理解が深まり、医療機関と共に在宅を盛り上げようとする意識が高まった。 採算面では、設立当初は赤字補填条項を協定に盛り込んでいたが、開設後1年半で黒字化したため、令和4(2022)年度に補填条項を廃止した。以降は安定運営が続いている。

今後の方針

・医療・介護の施設・事業所の撤退は、地域の医療・介護サービスの供給力にダイレクトに影響を与えるため、日ごろから連携を密に行うことが必要である。 ・令和5(2023)年度以降、コロナ収束に伴い病院での看取りが増加し、在宅看取りは年3件程度にとどまる。今後は、在宅看取りの拡大を重視し、住民・家族・医師への啓発活動を強化する。 ・最大の課題は看護師の確保であり、出向元病院の人員減少により、派遣継続が難しくなる懸念がある。短いローテーション(3年)により利用者との関係性が継続しにくい点も課題である。出向体制の維持と特定行為研修への参加支援を通じ、訪問看護師の専門性を向上させる。 ・県・看護協会・最上地域全体の協議体を通じて、災害時の相互受援体制(広域BCP)や効率的なゾーニングを検討する。

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