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小規模自治体、過疎地域、中山間地域に該当する南部町は、近隣の4町と連携し、在宅医療・介護連携推進事業に取り組む

2026.03.27
取組場面
取組のキーパーソン
取組の実施内容

#地域の医療・介護資源の把握

#在宅医療・介護連携の課題の抽出

#切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進

都道府県による支援状況
都道府県山梨県 南部町
人口規模6,920
高齢者人口(65歳以上人口)3,106
高齢化率44.9 %

取組の背景

小規模な町単独では医療介護連携推進事業を行うことは難しい。南部町では入院施設がないため、峡南地域全体での医療介護の支援が必要不可欠である。 5町にはもともと保健師を通じた定期会合があり、協議を重ねる土壌もあった。 医療介護連携以外にも認知症初期集中支援など広域的な課題があったため、広域での連携が必要であるとの共通認識の下、検討を始めた。

取組の概要

・5町共同でセンターに事業を委託し、在宅医療介護連携を推進している。センターは事務局機能を担い、会議の企画・運営、事業所への通知や研修会の開催等を行っている。 ・南部町では「多職種の顔の見える関係づくり」を進めている。中心となっているのは国保診療所の医師で、参加者は、訪問看護、特養、デイサービス(生活相談員・介護員)、薬剤師、福祉用具事業者、診療所事務職など多岐にわたる。直近の会議では32名が参加。令和7年度はすでに3回開催。 ・ICT ではバイタルリンクを活用し、医師・訪問看護事業所・ケアマネジャーがリアルタイムで連携している。 ・入退院支援としては、患者が入院する際、ケアマネジャーが病院へ情報提供するための統一書式を作成し、連携ルールを整備した。

取組で苦労した点

・南部町の連携会議は、当初は訪問看護やケアマネジャーなど限られた職種で行われていたが、コロナ禍後の再稼働の際に多職種を対象とした。コロナ禍で途絶した国保診療所の医師主導の会議を、センターの協力を得て再構築した。 ・運営面では、センターが通知文の作成や進行設計など事務局機能を担っている。事業所の主だったメンバーに声掛けをして、企画委員会を開催し、事前に擦り合わせや仕込みを行うことで、連携会議を上手く回すことができている。 ・ICT 活用では、バイタルリンク導入以前のツールが十分に使われなかった反省から、多くの人にまず使ってもらうことを意識した。販売担当者を招いた研修会やデモを実施し、利用者は広がっているものの、5町での利用状況には差があり、今後の浸透が課題である。

取組の効果

・連携会議での成功事例発表などにより、表面的な「顔の見える」段階から「相互理解が深まる連携」に進み、連携後の電話や相談の質が変化した。 ・退院支援は、病院側がケアマネジャーの有無を確認し、担当ケアマネジャーへ情報を渡すルートが整備され、従来よりスムーズになった。 ・ICTでは、患部写真や状態を即時共有できるため、電話説明の負担が軽減し、電話がつながらない場合でも記録が残り、共有できる点も有効である。バイタルリンク活用により、地域包括支援センターやケアマネジャーがリアルタイムで状況を把握でき、看取り対応の質の向上につながっている。 ・事務局機能をセンターが担うことで、地域包括支援センターの負担も減っている。

今後の方針

・地域全体の課題を明確化し、重点課題を設定していく方針である。保健所が各町ヒアリングを行い、整理している途上である。今後、広域的な課題を示してもらい、5町で協議しながら、具体的な施策に落とし込んでいく。 ・南部町では連携会議を継続し、企画委員会で翌年度のテーマ設定をしていきたい。 ・看取りやACP(エンディングノート等)を住民に広げる取り組みを継続・強化する。 ・ICT(バイタルリンク)は今後さらに広がる見込みだが、現状では、医師の利用に差があるため浸透には時間がかかりそうである。

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